産業看護師になるには
臨床経験はどのくらい必要?
産業看護師の場合、病院の看護師とは違って、自分ですべての作業をこなしていかないといけません。病院の看護師の場合、同僚もたくさんいますので連携して仕事にあたっていけます。このため、もし新人であまりキャリアのない人でも先輩看護師のサポートを受けながら仕事を遂行できます。
ところが産業看護師の場合、自分一人だけというケースが多いです。そこで目の前にこなさないといけない複数の業務がある場合、どれから片づけていけばいいのか優先順位を考えて対応する必要が出てきます。このような判断力や決断力というのは、新人の看護師にはなかなかマスターできないことのはずです。
そこである程度のキャリアを持った看護師の方が、産業看護師としては望ましいといえます。臨床経験は少なくても3年以上、できれば5年以上あって、どのような事態にもある程度対処できるような看護師の方が採用される可能性は高いです。新人の看護師の場合、もう少し病院などで経験を積むことをお勧めします。
ビジネスマナーも必要
産業看護師は、会社員として働くことを意味します。これまでの病院やクリニックで仕事をするのと比較すると、勝手が異なるということを梨花しておくべきです。特に会社員となると、ビジネスマナーをしっかりとマスターする必要があります。
ビジネスマナーにもいろいろなことがありますが、まず基本中の基本として、服装のマナーをきちんと頭の中に入れておくようにしてください。病院勤務をしていた場合にはナース服を身に着けていればよかったかもしれませんが、会社で勤務するようになればそうはいかなくなります。
会社員としてふさわしい格好を心がけるようにしてください。スーツを着用するのが無難といえます。その他にも従業員が気軽に健康問題に関して相談できるような雰囲気を醸し出すことも大事です。清潔感のある服装や髪形を意識してください。またメイクなどもあまり濃すぎずにナチュラルメイクを心がけるようにして、入りやすい医務室づくりを意識することが大事です。
パソコンスキルもあると良い
産業看護師になるということは、会社の一員になることでもあります。そこで重要なスキルとして、パソコンスキルがどの案件でも要求されると思ってください。たとえば、健康診断などをして社員の健康情報を管理することになります。この場合、オフィスの表計算ソフトであるExcelを使用しないといけません。
また社員の健康管理に関する提言や健康診断の企画書作成、診断の結果報告をレポートで上げるときなどにはWord文書を使って行うのが一般的です。そこでWordとExcelの基本的な捜査に関してはマスターしておいた方がいいでしょう。普段あまりパソコンをいじらないという人は、パソコン教室などに通っておいた方がいいかもしれません。
しかし産業看護師がパソコンを使った作業をする場合、それほどハイレベルなスキルを要求されることはまずないと思ってもらっていいでしょう。初期レベルの操作方法さえマスターできていれば、後は実践で必要なスキルを身に着けるといった形で対処することも可能です。
最後に…
産業看護師になるために何が必要なのか、大まかなイメージを掴むことができたでしょうか?
「病院よりも楽そう」という理由で産業看護師の仕事に興味を持つ方も多いですが、「病院の看護師とは違ったスキルを伸ばしていく必要がある」ということが分かれば、やりがいの面でも期待が持てそうですね!
実際に産業看護師として現場で働く看護師さんの声は「企業看護師の医務室日記 | 企業で働く看護師の日常」で見ることができるので、さらにイメージをふくらませるために一度目を通しておくといいですよ。